着色とは、繊維だけではなくプラスチックや、木材、或いは皮革・紙等広い素材に対し、
色付けをする事を言います。着色剤としての色素は、大きく分けて「染料」と「顔料」と
に分かれます。
狭義の「着色(Coloring)」とは物理的な色付けを言い、例えば、ペンキ、
インキ、絵具やクレヨンによる色付け着色物表面にだけ色付けする(洗いで
色落ちする)ことを意味します。「染色(Dyeing)」は繊維内部までの色付け
を言い、例えば、化学染料、天然色素や金属塩による色付けで、着色物内部
まで色を付ける(洗っても色落ちは少ない)ことを意味します。
染料は、繊維内部へ染着し、顔料は、繊維表面に着色します。染料は、顔料に比べ色素
の粒子が微細(単分子)になり、色素が繊維組織の内部に入り込み、繊維と物理的・化学
的結合を起こすことにより染まります。顔料は、染料に比べ色素が大きく粒子状で、繊維
組織の内部に入り込めず、表面に載っているだけです。よって樹脂で繊維と色素を固着さ
せなければなりません。染料は繊維と結合し、顔料は繊維に接着剤で固定するという事に
なります。染料は、繊維内部に入って行き染着しますので、表面で接着させる顔料よりも
小さいです。